2015年05月26日
里見名人の復位成るか、明日第3局
昨日の本ブログ冒頭、「長崎物語」の一番の歌詞を記しましたがそれを目にした方から「お前はようも昔の歌を知っとるなあ」と言われました。まあ名曲とはいくら時を経ても歌い継がれその時代を生きた方でなくとも心の琴線に触れる、それは至極当然のことでありましょう。
実はこの曲、懐メロ番組で何度か耳にしどうやら戦前の歌らしいとは存じておりましたがそれが決定的に私の脳裏に刻まれたのは映画「南の島に雪が降る」、この作品の中で演芸部隊の一員である佐原健二さんがこの曲を歌う場面を見た時でございました。
この「南の島に雪が降る」は俳優加東大介さんがご自身の従軍体験を元に書かれた小説で、後にそれが映画となり広く知られることになった作品です。西部ニューギニア・マノクワリ、補給路を断たれ飢えとマラリアで死の淵をさ迷う兵士達、その士気を鼓舞するために司令官(配役:志村喬さん)から演劇隊の設立を下命された加東さんは自ら座長として演じ続け、それは帰国の途に就くまで続いたそうです。

光文社:知恵の森文庫
さて佐原さんと言えば「ウルトラQ」、私達の年代にはとても馴染みの深い方なのです。その佐原さんが歌う「長崎物語」、本来は哀調を帯びた曲なのですが戦地で兵を慰めるための演芸部隊、爽やかな笑顔で歌い上げます。明日をも知れぬ身、その兵を元気付けるため敢えて朗らかに歌う、当時を偲ばせ誠に見事な脚色と映りました。
またこの映画の中で特に印象に残るのは玉砕した部隊の生き残り兵の姿でした。日本陸軍では「玉砕」と報告された部隊にたとえ生き残った兵が居たとしてもそれは既に存在しない部隊であり、その身は生きながらにして死んでいる見捨てられた幽霊部隊となってしまうという悲しい現実でした。
本部から遠く離れたジャングルの奥深く、劣悪な環境の中彼らは死を待つことだけに今日を生きる。ある日その部隊から来たフランキー堺さんが「懐かしいなあ」とピアノを弾く、その見事な腕前に一同がシーンと聞き入る。そして数か月、次にその部隊から来た小林桂樹さんにフランキーさんの消息を尋ねる演芸隊員、それに対し「ああ、あいつ死にました」とあっけらかんと答える小林さん。飢えとマラリアによる死が日常茶飯、この場面にも脚色の妙を感じたものでございます。
他にも死地へ赴く中隊の隊長役の森繁さん、曹長の身で軍曹である加東さんの部下になることを志願した有島一郎さん、東北の坂妻こと伴淳三郎さん、芸達者の西村晃さん、人気役者を騙る渥美清さん、剽軽な一等兵役の桂小金治さんなど名優達が勢揃いの佳作、機会有れば是非一度とお薦め致します。
閑話休題、第26期女流王位戦五番勝負は明日第3局を迎えます。ここまで2連勝として3期ぶりの復位に王手を掛けた里見香奈女流名人、一方今季防衛すれば通算5期でクイーン王位の称号を得る甲斐智美女流王位(倉敷藤花との二冠)、何れ劣らぬ両者のタイトル戦は第3局にして早くも佳境に入りました。
明日定休日、駒を並べながらの観戦を今から楽しみにしております。お時間のある方はご一緒に、特設サイトは【こちら】です。
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実はこの曲、懐メロ番組で何度か耳にしどうやら戦前の歌らしいとは存じておりましたがそれが決定的に私の脳裏に刻まれたのは映画「南の島に雪が降る」、この作品の中で演芸部隊の一員である佐原健二さんがこの曲を歌う場面を見た時でございました。
この「南の島に雪が降る」は俳優加東大介さんがご自身の従軍体験を元に書かれた小説で、後にそれが映画となり広く知られることになった作品です。西部ニューギニア・マノクワリ、補給路を断たれ飢えとマラリアで死の淵をさ迷う兵士達、その士気を鼓舞するために司令官(配役:志村喬さん)から演劇隊の設立を下命された加東さんは自ら座長として演じ続け、それは帰国の途に就くまで続いたそうです。
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さて佐原さんと言えば「ウルトラQ」、私達の年代にはとても馴染みの深い方なのです。その佐原さんが歌う「長崎物語」、本来は哀調を帯びた曲なのですが戦地で兵を慰めるための演芸部隊、爽やかな笑顔で歌い上げます。明日をも知れぬ身、その兵を元気付けるため敢えて朗らかに歌う、当時を偲ばせ誠に見事な脚色と映りました。
またこの映画の中で特に印象に残るのは玉砕した部隊の生き残り兵の姿でした。日本陸軍では「玉砕」と報告された部隊にたとえ生き残った兵が居たとしてもそれは既に存在しない部隊であり、その身は生きながらにして死んでいる見捨てられた幽霊部隊となってしまうという悲しい現実でした。
本部から遠く離れたジャングルの奥深く、劣悪な環境の中彼らは死を待つことだけに今日を生きる。ある日その部隊から来たフランキー堺さんが「懐かしいなあ」とピアノを弾く、その見事な腕前に一同がシーンと聞き入る。そして数か月、次にその部隊から来た小林桂樹さんにフランキーさんの消息を尋ねる演芸隊員、それに対し「ああ、あいつ死にました」とあっけらかんと答える小林さん。飢えとマラリアによる死が日常茶飯、この場面にも脚色の妙を感じたものでございます。
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Posted by 府中店長 at 09:26│Comments(0)
│里見奨励会三段