府中家具　バンザイ！

　今朝、大阪への往路での事。岡山で新幹線に乗り継ぐため、米子駅から在来線の特急「やくも号」に乗車しました。通路を挟んで隣の席に座った男性は、年頃４５歳余りか、体重が９０キロ以上はあろうかという巨漢です。彼、乗車して１０分余りで熟睡しました。それを見て、「こりゃあ慣れてる、出張の達人だな」と感心しました。

　しかし、感心ばかりしていられない状態が私を襲います。彼の鼾の凄いこと凄いこと、久々に読み返そうと持参の鮎川哲也さんの「黒いトランク」が頭に入りません。それに、時々「睡眠時無呼吸症候群」のように鼾が途切れます。「あっ、大丈夫か？」

　やっと着いた岡山駅。やれやれと新幹線ホームに上がると、私の乗車予定の同じ「のぞみ号」、それも同じ７号車の行列の先頭に彼の姿が。

　「よくよく縁があるなあ」と思いながら乗車しますと、なんと今度は正真正銘、隣の席に彼が座っています。彼は彼で、「隣に人が来なかったら、座席が二人分使えてゆったり出来るなあ。隣、来るなよ」と祈っていたはずなのに、私が着席。

　眠りが足りたのか、彼、ウォークマンで音楽を聴いています。「俺に文才があったら、これって小説のネタになるんじゃないか？」と思いながら、新大阪への５０分余りを過ごしました。彼、出張どこまでなんだろう？ひょっとして、帰りも一緒になったりして。



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