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2007年09月01日

瓜田李下

 『瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず』、これは大抵の方がご存知の言葉だと思います。高校時代、意味不明な漢文の授業で苦しんだ私ですら知っています。辞書を引きますと、「他人の嫌疑を受けやすい行為は避けるようにせよとの意」と出ています。瓜畑の中で靴を穿くような仕草や、李(すもも)の木の下で冠をかぶり直す動作は、それを盗ろうとしていると誤解されるので厳に慎まなければならないと諭しています。厚生労働省の前九州厚生局長の疑惑、「親戚だから」との言い分は通りますまい。正に瓜田李下、国家公務員の身としては迂闊な行為と言わざるを得ません。

 私の父は、長く町役場に勤めていました。あれは私が中学生くらいの時ですから、今から40年程前の事になります。ある日、見知らぬ年配の男性が父を訪ねて来られました。生憎家には私一人でしたのでその旨を伝えると、その方はお酒の二本入りの箱(不思議と覚えています)を置き帰られました。

 やがて帰宅した父はその酒箱の熨斗紙の名前を見て、烈火のごとく怒りました。昔の父は、そりゃー怖かった。(笑)
「こら!何で勝手に受け取った、こりゃあ貰う訳にはいかん。受け取ったのはお前だけえ、今から返してこい」

 何処の家に返しに行ったのか、時間はどれ位掛かったのか、全く覚えていませんが、子供心にも「家は知らん人から物を貰っちゃあいけんのだ」と強く感じました。

 後年、父に訳を尋ねたことがあります。
「お父ちゃん、ありゃー何じゃったんかね」
「よう覚えとるのお。ありゃーワシが総務課長の時で、職員の採用試験があったんよ。あの人の息子が試験を受けるんで、挨拶代わりに持って来ちゃったんじゃが、公務員じゃけえ受け取れん。それでお前に返しに行かせたんよ。お前の骨身に沁みると思うてのお、すまんかったなあ」
「瓜田李下ね?」
「ほーよなあ」
 笑いながら言う父を見て、片田舎の役場の職員でも公務員なんだなあと思いました。それで今回の事件を目にした時、この『瓜田李下』を思い出した次第です。今頃お墓の中で、「そんな事もあったかのう」と笑っているような気が致します。




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Posted by 府中店長 at 09:11Comments(0)店長日記