府中家具　バンザイ！

　3月中旬にご高齢のご夫婦にベッドを買って頂き、先日ご連絡を受けて集金にお邪魔しました。しかし伺うとそのベッドをほとんど使う間もなくご主人がある施設に入所されたとのこと、「ワシも先が短いからねえ、あんたに任せるから上等なベッドを頼むよ」と仰った温顔が目に浮かびました。

　「それでね、私一人でこの家に居ってもやれんから息子と同居する事になってねえ、ご免だけどベッドを息子の家まで運んで貰えんかね」との奥様の言葉に、「分りました、じゃあ22日の日曜日に運びましょう」とお約束してお客様のお宅を辞去しました。確かご主人は大正11年生まれと伺ったから90歳、奥様は昭和2年で85歳、任せて頂きこれならと選んだベッドでしたがご主人にお使い頂いた時間が余りにも短かった事にとても残念な思いが致しました。

　さて昨夕方5時前、その息子さんから電話がありました。たまたま店にいた私が電話を受けましたが、ベッドの移設は何時頃になりますかとのお問い合わせです。そこで22日の午前中に予定している旨をお伝えし、「ご実家でベッドを積み込んでから向かいますので11時頃になると思います」とお答え致しました。すると・・・・・。

「えっ、22日？今日じゃあないんですか？」
「ええ、お母様に22日とお伝えしてありますが」
「そうですか、来週だったんですか」
「どうかされましたか？」
「実は親父のベッドは私が使う事にしましてね、今まで自分が使っていたベッドは今日廃棄してしまったんですよ。夜遅くなっても構いませんので、何とか今日運んで貰えないでしょうか」

　息子さんに頼まれ正直「えっ、今から？」とは思いましたが、事情を伺うと困っておられるのがよく分りましたので出掛けることに致しました。6時前に2台のベッドを分解してトラックに積み込み、「無理言ってご免ね」との奥様の言葉に送られ息子さんのお宅に伺い再設置して店に帰って来たのが8時前でした。息子さんに使って頂くことで施設に入られたご主人もきっと喜んでいらっしゃることだろう、そう思った昨日でございました。




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