府中家具　バンザイ！

　今年3月末、大相撲の舞の海さんが来町され講演会がありました。私も出掛けてお話を伺ったのですが、外国人力士の強い訳はハングリー精神に尽きると仰っていました。祖国に残した家族の為に早く強くなり、お金を稼いで家族を楽にしてやりたいとの思いが非常に強いので一生懸命稽古をするのだと説明されました。

　その時は成る程なあと思いましたが、近頃の騒動を見ていますと他にも理由があったんですねえ。大金を賭ける賭博にどっぷりと浸かってしまったら、稽古どころじゃあないでしょう。片方は死に物狂いで稽古をするのに、片方は賭博の事で頭が一杯では結果は自ずと決まります。「今日の先発ピッチャーは誰だろう？どっちが勝つんだろう？」なんて場所中も考えていたとしたら、もう救い様がないですねえ。

　こんな事を考えていましたら、一つのシーンが甦りました。
広島東洋カープの初優勝時に大車輪の活躍をした外木場（そとこば）投手、それ故にその後肩を壊してしまった外木場さん。忘れもしない大学三年生の夏、島根への帰省途中に何時ものように広島で途中下車、友人の下宿を根城にして市民球場に通っていたある日の事です。

　私は広島の繁華街にあるパチンコ屋さんに入りました。その時、席に座ってパチンコをする外木場さんを見かけたのです。「カープのエースは？」と聞かれたら迷わず「外木場」と答えていた、私にとっては憧れの人です。その時は不調から二軍で調整中だった外木場さん、炎天下で若手と一緒にピッチングをしていたのでしょう、真っ黒に日焼けした外木場さん。その外木場さんがパチンコ？

　あの時外木場さんはほんの気晴らしでパチンコをしていたのかもしれませんが、それを見た私は強烈なショックを受けました。ファンの誰もが、いや外木場さん自身が一日も早く一軍に戻って前のようにエースとして活躍する事を願っていたはずですし、私もまたあのドロップと直球で相手をなぎ倒す姿を待ち望んでいたのです。

　あの時あの状況下で「パチンコでもやってみるか」と思った外木場さんの気持ち、それを不審に思った私は「外木場さん、パチンコなんかやってる場合じゃないですよ」と心の中で呼び掛けました。今から思えば、その時既に外木場さんは引退を決意していらっしゃったのでしょう。程なく引退が発表され、「広島の大エース、外木場さんもついにか」とガックリした事を覚えています。

　あの大投手外木場さんですら、気持ちの張りをなくした時には引退の道しかなかったのです。それなのに本場所中の支度部屋でも野球賭博に心を奪われていたとは、全く持って言語道断、ファンに対する裏切り行為と言われても申し開きは出来ないでしょう。協会は名古屋場所の開催をどうするかを後日に持ち越したようですが、数多の迷惑を被る方々のご苦労を承知の上でこう申し上げたい。「考えるまでも無く中止」、それが自然だと思うのですが。




『府中家具 IFurniture 楽天店』
『府中家具店長』が商品開発から手がけました！「完全受注生産・当店限定商品」が買えるお店!!

『府中家具IFurniture メールマガジン　府中からの手紙』
　府中家具一筋30年!!『府中家具店長』がお送りする、府中家具の良いハナシ。購読受付中!!