府中家具　バンザイ！

　私の出身高校は、島根県松江市にある松江北高等学校と言います。通ったのは35年ほど前ですから、かなり昔のお話しです。

　入学してしばらくすると、放課後に応援歌の練習がありました。中庭に集められた一年生を応援団の先輩が指導するのですが、400人余りの生徒が集まり声を合わすと、それなりの迫力があったと思います。

　練習が始まり2～3日経ったある日、練習前に応援団の団長さんがこう言いました。「一年生の○○君が、君達に話しがあるそうです。希望を入れ、○分間だけ許可します」。その説明の後、やおら一人の生徒が壇上に上がり演説を始めました。彼によると、やっと希望の高校に進学して勉強や部活にとそれぞれの思いがあるだろうに、学校が強制的に放課後一年生を集め応援歌の練習をさせるなどは言語道断だと言うのです。これは生徒の人格を無視し自主性を阻むもので、応援団の指導も高圧的だ、とまあこんな論法でした。

　ビックリしました。田舎の中学校育ちの我が身と比べ、何百人もの人前で自己の考えを堂々と主張する○○君。それに彼が使う言葉も難し過ぎて、私には良く理解出来ません。「やっぱり松江は違うわなあ、あれが同級生かや？こりゃあエライ高校に来てしまったのう」、正直そう思いました。ただ彼の言葉を聞きながら、「しかしなあ、応援団は必要じゃろう。中学校の時も、大会前には壮行会をしてくれたけんなあ（150センチほどの身の丈で、無謀にもバスケット部に所属）。それにワシ、こういうのって嫌いじゃあないしなあ」

　この演説の結末がどうなったのかは全く覚えていませんが、その後壇上に戻った応援団長の一言が忘れられません。曰く、「北校が甲子園に行ったら、誰が応援するんだ」。一回戦敗退が続く高校でも、真剣に甲子園を目指す裏方の人達がいるんだなあと、痛く感動しました。今年も甲子園目指して戦う球児達と、彼等を支える裏方さん達の暑い夏が続きます。




『府中家具 IFurniture 楽天店』
『府中家具店長』が商品開発から手がけました！「完全受注生産・当店限定商品」が買えるお店!!

『府中家具IFurniture メールマガジン　府中からの手紙』
　府中家具一筋30年!!『府中家具店長』がお送りする、府中家具の良いハナシ。購読受付中!!