2014年10月27日
北関東訛りの戸別訪問
上京して大学に通うようになって間もなくのことでしたが、一人のお巡りさんがアパートを訪ねて来られました。ノックの音にドアを開けると制服姿のお巡りさん、やはり始まったばかりの都会暮らしに不安があったのか、50代と思しきその制服姿に何かしら安堵する心持ちになったことを覚えています。
「済みませんねえ、ちょっといいですか?」
「ええどうぞ」
私が住んでいた部屋は玄関の三和土は無く靴を脱いで通路から直接部屋に入る造りになっていましたので、そのお巡りさんはそのまま腰掛け話し続けられました。
「学生さんですか?」
「はいそうです」
「出身は?」
「島根県です」
「ああ出雲大社のあるところですね、私も一度行ってみたいと思っているんですよ」
先ずこれで私の心が開きました。だってですねえ、大学で「島根出身」と言ってもほとんどの人は島根を知らず、「それ何処?」と問われる度に「広島の上、出雲大社のある県、竹下登の地元」と答えていましたもの。それでも「広島の上?えーと」と言われる始末、まあこっちだって大阪以東なんて全く知らない、お相子ですけどね。
「大学は?」
「国分寺の東京経済大学です」
「ああ、それならここから歩いても通えますね」
大学の名前を言うとちょっとの間が空き、その後諭すようにこう話し掛けられました。
「学生さんは勉強しなくちゃね、勉強以外のことに熱心になると道を誤るから。島根のご両親のためにも、変な考えはしないようにして下さい。困った事があったら遠慮なく交番に来て下さいね」
どうもこのお巡りさん、「経済大学→マルクス経済学→左翼→学生運動」と連想がつながったようでして、田舎出の学生を心配してくれる余りこの言葉が出たのだと思います。その時はあまり深く受け止めませんでしたが考えてみればあれは昨日のブログで取り上げた山口二矢の事件から僅か14年、このお巡りさんには左翼によるデモの記憶が強く心に残っていたのでしょう。
こんなことを思い出すのも間もなく上京して小金井を訪れる予定にしているからでしょうが、北関東訛りのお巡りさんが「道を誤るな、ご両親のことを想え」と諭して下さったあの言葉、今にして「有難かったなあ」と感じております。
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「ああ、それならここから歩いても通えますね」
大学の名前を言うとちょっとの間が空き、その後諭すようにこう話し掛けられました。
「学生さんは勉強しなくちゃね、勉強以外のことに熱心になると道を誤るから。島根のご両親のためにも、変な考えはしないようにして下さい。困った事があったら遠慮なく交番に来て下さいね」
どうもこのお巡りさん、「経済大学→マルクス経済学→左翼→学生運動」と連想がつながったようでして、田舎出の学生を心配してくれる余りこの言葉が出たのだと思います。その時はあまり深く受け止めませんでしたが考えてみればあれは昨日のブログで取り上げた山口二矢の事件から僅か14年、このお巡りさんには左翼によるデモの記憶が強く心に残っていたのでしょう。
こんなことを思い出すのも間もなく上京して小金井を訪れる予定にしているからでしょうが、北関東訛りのお巡りさんが「道を誤るな、ご両親のことを想え」と諭して下さったあの言葉、今にして「有難かったなあ」と感じております。
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Posted by 府中店長 at 09:39│Comments(0)
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