府中家具　バンザイ！

　昨夕方、幼馴染のS君が店にやって来ました。先日ちょっとした仕事を頼まれ、それが終わったので支払いに来てくれたのです。久し振りでしたので、二人で一時間ばかり話し込みました。

　彼の次男さんが悪性リンパ腫のため21歳で旅立ったのが2年前の6月、その後の奥様のご様子などご家族の近況を聞いたのですが、何と今月24日に長男さんの結納をすると言うのです。

「そりゃあ良かったがな。で、娘さんは何処の人だや？」
「それがのお、お前さんの馴染みの土地よ」
「ワシの馴染み？頓原（とんばら：彼と私の故郷です）かや？」
「いんにゃあ、柳川なんよ」
「柳川って、福岡県の？」
「そげそげ、大川家具の近くだげな。古賀政男記念館が家の直ぐ近くにある言うとったわ」
「記念館の近くだったら取引先のメーカーさんがあるけん、ワシも良う知っとるがな」

　事情を聞きますと、長男さんは大学を卒業後に博多にある会社に勤めていたそうで、その時に知り合った女性だそうです。長男さんは次男さんが亡くなられた後に両親の住む松江市に帰って来て、今は一緒に暮らしているとか。24日は、両親と彼の三人で福岡に行くそうです。

「そりゃあ、次男さんの事があるけえのお。長男さんはお母さんの事が心配で帰って来たんじゃろう。優しい子だがな」
「うーん、そうかなあ」
「で、結婚式は松江でか？」
「いんにゃあ、ハワイだげなわ」
「ハワイ？そりゃ大事だがな。お前達も行かにゃあいけんのお」
「二人！若いもん二人だけでハワイに行って教会で挙式、そのままハワイで新婚旅行だとや」
「へぇ～、まあ島根まで嫁さんに来てくれるんだけん、それ位は許してやらにゃあ。だけど奥さん、喜んどってだろ？」
「うん、お蔭さんでなあ」
「ホント、良かったなあ」

　2年前、母親としては誠にお気の毒としか言いようのない次男さんの死去に遭い、今年はお嫁さんを我が家に迎える喜びに包まれるとは。昔の人は、全く良く言ったものですねえ。曰く、「禍福は糾える縄の如し」。




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