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2016年12月25日

永訣の朝

今日のうちに遠くへ行ってしまうわたくしの妹よ
みぞれが降って 表は変に明るいのだ
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 私と同年配の方なら、現国の教科書に載っていたこの詩を覚えている方も多いことでしょう。宮沢賢治の『永訣の朝』、妹とし子が亡くなった日のことを詠ったものですが、高校1年の時に授業で出会ったこの詩に感銘を受けた私は繰り返し繰り返し目を通し暗記する程になったことを思い出します。

 私はこの『永訣の朝』を知り、生まれて初めて詩集なるものを買い求めました。無論、『春と修羅』です。

 さて昨日、高2の甥がこう申します。

「おっちゃん、宮沢賢治の永訣の朝って知っとる?」
「おお、良う知っとるよ」
「何で?」
「何でって、高校の教科書に載っとったけえな」
「僕の教科書にも載っとるよ、見せてあげる」

 久し振りに目にする『永訣の朝』、記憶に残る詩を目で追って行く内、最後の方で「あれっ?」と思わず声を上げました。

 私の記憶にあるのは次のような一節です。

おまえが食べるこの二椀の雪に
わたくしは今、心から祈る
どうかこれが兜率の天の食に変わって
やがてはおまえとみんなとに聖い資糧をもたらすことを

わたくしのすべての幸いを懸けて願う

 しかし、甥の教科書ではこうなっています。

おまえが食べるこの二椀の雪に
わたくしは今、心から祈る
どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすように

わたくしのすべての幸いを懸けて願う

 甥が直ぐにスマホで検索してくれましたらどうやら今の教科書の方が最初の詩、私達の時のものは作者が書き直したものらしいと判明致しました。

 還暦の年に、また一つ賢くなりました。face_02
  


Posted by 府中店長 at 08:15Comments(0)店長日記