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2013年11月14日

友よりの手紙

 一昨年暮れ、友人Tが今の施設に入所し間もなく2年が過ぎようとしています。アルコール中毒と栄養失調で倒れ救急搬送されてから4年余り、本ブログで何度も申し上げましたが栄養失調に伴う小脳の損傷で後遺症が残り、施設内での移動は歩行器に頼る生活を続けています。これがアルコール中毒だけなら今頃は再就職して普通に生活しているだろうにと思いますと、今更ながらに栄養失調の怖さを思い知らされます。

 実はTの話を聞くまで、私は小脳が平衡感覚などの運動機能を司る大切な臓器であるという認識は余りございませんでした。しかし小脳の血管が詰まる事による運動障害、分けても平衡感覚が全く戻って来ないTの姿に、お医者さんの仰る「生涯杖歩行は無理」の言葉も宣なるかなの感が致します。

 さて昨日、そのTから手紙が届きました。何時もの様に時候の挨拶、毎朝仏壇に手を合わせることによる心の安らぎ、そして日々を生活出来ることに対する世間様への感謝の気持ちを綴っています。手紙の中で「必ず杖歩行を」と決意表明をするのは毎度の事ですが、昨日の手紙で「成る程なあ」と感じた事がございました。

 以前にも申し上げましたが、Tが入所するこの施設では基本的に単独行動が出来ない人に外出許可は下りません。Tの様に歩行器を使わないと移動出来ない場合は付き添いの職員さんを手配する必要がありますし、第一屋外における歩行器での移動は危険を伴います。その事は存じておりましたが、今回の手紙で杖歩行になり外出許可を受けるまでに快復すればお金の自主管理も許されるようになるのだと知りました。現在は例えば封筒・便箋・切手類、また月に一度の散髪代など全て職員さんに申告して許可を得なければお金を使うことは出来ないのです。それがお金を自分で管理するようになれば社会復帰の第一歩となり、また出納帳を付けるなどすれば生活に変化も生じ張りも出てこようというものです。

 「○月までに杖を購入し、○月までには杖歩行になる」、この○の中に入る数字は手紙毎に延びて行くのが常でございまして、今回は「12月までに杖購入の許可を頂き、来年3月までに杖歩行になる」と書いてございました。そしてその暁には、「貯金を下ろしてK様・I様にお礼に伺います」と結んでいます。

 Kは僧侶、Iは写真館経営の何れも共通の友人です。思うにTは毎朝拝む仏壇に御位牌や御遺影を滞り無く実家から移してくれた両人に感謝し、幾許かでもお金を包んでお礼の気持ちを伝えたいと考えたのでしょうがその心根や良し、Tらしい素直で優しい考え方だと感じました。だけどなあTよ、実際にお前の所へ仏壇を持って行って御位牌や御遺影を飾ったのはKやIじゃない、このワシなんだけどなあ。face_02




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Posted by 府中店長 at 10:35Comments(0)店長日記