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府中店長
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2013年09月09日

遠い記憶

 7日午前6時25分ごろ、鮫川村の無職鈴木一さん(75)方から出火し、木造2階建て住宅の2階部分などを焼いた。鈴木さんの妻(73)がスズメバチに頭を刺され、軽傷。棚倉署によると、スズメバチの巣をいぶして取り除こうとしたところ、日が家に燃え移ったとみられる。(福島民友新聞9月8日)

 国道54号線を島根から広島へ向かいますと県境に赤名(あかな)峠がございます。この峠のてっぺんにあるトンネルを通り過ぎると広島県、雪深い事でも知られていますがこの峠には昔からドライブインやラーメン屋、そして喫茶店などが多く営業しておりました。時も移り現在ではほとんどその姿を消してしまいましたが、私が学生の頃、同じように失火して全焼したドライブインがありました。

 ある夏、車でこの場所を通りかかると基礎の部分を遺してドライブインが跡形もありません。乗せてくれていた幼馴染みに問いましたら、「ああ、火事で焼けたんよ。親父さんがスズメバチの巣を燻そうとしちゃってのお、その火が屋根に燃え移ったらしいわ」との事、「成る程そりゃあ災難じゃったなあ、ちょっと停めてごせや」と立ち寄ってみる事に致しました。

 焼け跡に立ち土台を眺めますと、何度か利用した事のある店内の様子が目に浮かんで参りました。
「で、店の人はどうしちゃったん?」
「知らんけど大概いい歳じゃったけえ、もう商売は止めちゃったんじゃあないかなあ」

 駆除と共にスズメバチの巣は格好な飾り物となるため、昔から竹の先に括り付けた杉葉などでハチを燻して追い払い、ハチが逃げてから巣を取るという方法が一般的でした。しかし巣は軒下に作られることが多く、運が悪いとこのように軒天に火が燃え移ることになるのです。この記事を読み、お気の毒にと思いながら遠い昔を思い出した次第でございます。




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Posted by 府中店長 at 12:01Comments(0)店長日記