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府中店長
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2013年04月07日

膝を打つ

 え~、人間時として長年の疑問が氷解してポンと膝を打つ事がございますな。人様にはどうでも良い事でも当人にすれば「ああなるほど、そうだったのか」と納得するという、まあ今日はそんなお話しで。

 実は手前、志ん生さんのCDを2枚もっておりましてその中に「井戸の茶碗」が入っております。お馴染みのお話しでございますが、浪人千代田卜斎から二百文で仏像を預かったくず屋の清兵衛さん、それを細川の家来の高木佐久左衛門が三百文で買ってくれる。買った高木がその仏像をぬるま湯の中で洗っていると、台座の紙が破れてザラザラーっと小判が五十両出て来る。自分は仏像は買ったが小判を買った覚えは無いから千代田に返せと清兵衛に言いつけますが、この時高木が「仏像を売るようでは(千代田は)よほどニシンに暮らしているのであろう」と清兵衛に言いますがこのニシンとは?

 そして次の場面、双方とも刀に掛けても受け取らぬと言われ困った清兵衛が家主に相談し、家主が出て来た五十両を清兵衛に十両、高木に二十両、千代田に二十両の案を出す。千代田は只二十両を貰う訳には行かぬと周りを見渡し、「ニシンに暮らしておって高木殿へ差し上げるものも無いが」と普段使っている茶碗を差し出すがこれが天下の名器「井戸の茶碗」と分ってもう一騒動、しかし再登場するこのニシンとは?何度聞いても分らない、鰊ってわけないしねえ。

 数年に及ぶこの疑問が判明したのは一年ほど前でございました。何かを読んでいる時たまたま書いてありましたが、これはニシンではなく「身貧(みひん)」、つまり貧乏の事でして江戸っ子の志ん生さんが語るとそれが「ニシン」に聞こえるんですなあ。日本映画の最高傑作「砂の器」の中でバーの女給が耳にした東北弁の「カメダ」、それが実は出雲弁の「亀嵩(かめだけ)」であったことから事件は新たな局面を迎えますがあれと同じだなあと納得したものでございました。50過ぎて物を知るというお話し、御後が宜しいようで。




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Posted by 府中店長 at 09:18Comments(0)店長日記