府中家具　バンザイ！

　今年の年賀状、一枚とても気になるものがございました。それは高校時代からの友人で名古屋に住むYからのもの、案ずるより産むが易しとばかり電話をしてみました。

「お前、どっか体の調子でも悪いんか？」
「おう、去年の夏に食道を全摘出よ」
「食道？」
「喉の下から胃までつながっとるがな、あれよ」
「そりゃあまた何で？」
「まあいわゆる食道癌っちゅうやつだわなあ」

　主治医から煙草は厳禁だが少量の酒なら可と言われている事、また5年間再発しなければ完治したと看做される事などを聞かされましたが不安感が募ります。そこで1年後輩で同郷のA君に電話をしてみました。

　A君は私を慕ってか、私と同じ松江北高校に進学して来ました。この松江北高、稀に私のようなぼんくらも生みますが多くは優秀な人材を輩出しております。A君も今では国内の内視鏡学会ではこの人ありと言われるお医者さん、またYとは北高でバレーボール部の先輩後輩の仲ですので打ってつけの人物です。そこで事情を説明し、Yに電話をするように頼みましたら折り返し報告がございました。

「今すぐにどうこうは無いでしょうが、注意してもらわんと」
「酒は？少しなら良いってお医者さんに言われとる様だけど」
「とんでもないですよ。大体Yさんは酒が好きで、飲むと顔が真っ赤になられるでしょ。そんな人が続けて飲めば飲まない人に比べると食道癌になる可能性が50倍になりますけんね」
「50倍？」
「その上煙草を吸うと更に2倍、50掛ける2で100倍ですがね」
「100倍？ホントかや？」

　A君によりますと飲んで真っ赤になる人は要注意、そうなったらその時点でその日の酒は終わりにする、お医者さんの世界ではそれが常識となって来て患者さんにもそう指導しているそうです。下戸のA君はホンの少量の酒で赤くなるタイプですが、「たまに医者同士の飲み会なんかがありますけど、自分の赤い顔を見ると誰も酒を勧めませんからねえ」との事。これは最近分って来た事だそうでして、ともかく真っ赤になったら酒はストップ、それが食道癌にならないための第一歩と力説するA君でございました。

　「だけどなあ、酒を飲んだら赤くなる、それって当たり前じゃないか？」と言いたい気持ちは胸に秘め、「ともかく時々はYに電話してやってごせや」と頼んで電話を切った次第です。それにしても赤い顔から真っ赤な顔へ、それって自分で判断するの？




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