府中家具　バンザイ！

　あれは2ヶ月程前のことでしたか、ある方の大臣表彰を受けて松江市内のホテルで祝賀会が催されました。近頃のことですからパーティー会場は禁煙、私を含めて愛煙家の面々は中座して二度三度と喫煙場所へと向います。そうする内に同じ方と何度か顔を合わせることもありますので挨拶を交わして名刺交換、これはそんなシーンでの出来事、70代前半と思しき方がこう仰いました。

「この頃、タバコを吸う者は肩身がせまいですなあ」
「全くですねえ、私も出張の時など困ってしまいますよ」
「そうそう、鉄道の駅はどっこも禁煙だしねえ」
「運良く喫煙場所があっても、長いホームの端っこですもんねえ」

　そのまま暫くお話しさせて頂きましたが、その後この方は少し語気を強めてこう仰いました。

「そりゃあタバコは他人様の迷惑になるからこんな仕打ちを受けても我慢出来ますけどね、その上もう一つの楽しみまで無くなるなんて冗談じゃないですよ」
「もう一つの楽しみ？」
「水戸黄門ですがね水戸黄門、あの番組が中止になるって言うじゃないですか。私はねえ、月曜日の水戸黄門を一番楽しみにしとるんですよ。全く、年寄りの楽しみを奪うなんて、テレビ局は何を考えておるんですかなあ？」

　なるほど、水戸黄門は国民的番組なんだなあと再認識した瞬間でございました。そう言えば様々な商売上の教えを受けたI先輩も水戸黄門の大ファン、Iさんも途方に暮れている事でございましょう。そして今般水戸黄門最後の撮影があり、12月19日の放映で昭和44年から42年間続いた番組が終了すると報道は伝えています。



　黄門様の「助さん格さん、懲らしめてやりなさい」の掛け声で乱闘シーン、そしていよいよ「控えい」の声で三つ葉葵の印籠登場、じゃじゃじゃんじゃ～んで一同土下座して黄門様のお裁き、初代遠野英治郎さんの独特な笑い方「かっかっか」、「それじゃあ参りますかな」と次なる土地へ向け旅立つ黄門一行、全く日本人好みの娯楽番組でございました。

　しかし全国数多の水戸黄門ファンの方々、黄門後の毎週月曜夜8時はどんな過ごし方をされるんでしょうかねえ？こりゃあ、カウンセリングを必要とするご老人方もいらっしゃるんじゃないですか？野田さん、TPPよりこっちを審議したらどうですかね？




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