府中家具　バンザイ！

　近頃お見掛けしなくなったなあ、どうしていらっしゃるのか？と思っていたある俳優さん、ここ2～3日、その思いが強くなりネットで検索してみることにしました。

　手掛かりは三つ。

　その①　テレビドラマ「隠密剣士（おんみつけんし）」の敵役の忍者だった。伊賀忍者霧のとんべえ役の牧冬吉（まきふゆきち）さんがこの人に捕まり、隠密剣士役の大瀬康一（おおせこういち）さんに「秋草（あきくさ）様～」と助けを求めるシーンが今も目に浮かびます。この後、テレビの「水戸黄門」や東映の「任侠映画」などで一貫して敵役に徹する。

　その②　藤純子さんの引退作品、東映の「関東緋桜一家（かんとうひざくらいっか）」に出演。抜刀術同士、若山富三郎さんとの決闘シーンが良く、形勢不利となり味方のピストルに助けられる。若山さんの死に際の言葉「眠たいなあ」、これも良い。クライマックス、殴りこんだ高倉健さんのドスに斬られ渡り廊下風の場所から真っ逆さまになって転落、迫真の演技を見せる。

　その③　NHKの朝ドラに善人役としてレギュラー出演。放映した年号、番組名共不明。

　お名前は直ぐに分かるだろうと思ったのは大間違い、「隠密剣士」でも「関東緋桜一家」でも敵役の為かその配役の記載がありません。朝ドラはもっと悲惨、なにせ題名が分からないのですからどうしようもなく、「顔は分かるんだがなあ」と嘆息し一日目が終了。

　二日目、辿り着いたページが「悪役俳優」。五十音順に、何と448名の悪役さんが記載されています。その数に唖然となりましたが、何、二～三日も掛ければ思い出すだろうと早速｢あ行｣から見始めました。すると開始早々、ご存知「非情のライセンス」の天地茂（あまちしげる）さんの下に「天津敏（あまつびん）」さんの名前を発見、これだ！と直感して早速クリック、大当たりでした。それにしても「あ行」でよかった、「わ行」だったら大変だったろうなあ。

　そして天津さんのページに行って驚きました。1979年とありますから30年も前、58歳の若さで他界されています。紹介文を読み、「隠密剣士」では「風魔小太郎（ふうまのこたろう）」役、そして朝ドラの題名は「火の国に」と判明しました。

　最近拝見しないと思っていたけど、天津さん、亡くなっていたんだなあ。それも58歳なんて、若過ぎるし惜しいなあ。ワシ等の時代の敵役は、何と言っても天津さんだったもの。あんな個性的な敵役さんは、もう出て来ないかもしれないなあ。今頃は、天国で牧さんと「隠密剣士」の昔話でもしていらっしゃるのか？それにしても天津さん、誠に惜しい名優、名脇役でありました。合掌。






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