府中家具　バンザイ！

　小さい頃から、父は私の通信簿を見ても「音楽」と「図工」の評価だけには何も言いませんでした。おそらく、こう思っていたことでしょう。
「ワシの息子だけんなあ、こりゃあしょうがないで」

　そうなんです。音痴の父に似て音楽はサッパリ、絵を描かせれば遠近感なんて全くなく、何時だったか机と椅子を描いたときなど先生に「う～ん、岩門の描いた机と椅子は、何か足が生えて駆け出しそうだねえ」。当時はその言葉に喜んだ私も、今となってはその論評の意味するところが大変良く理解できます。それにしてもさすがは美術の先生、確かな目をお持ちだったようで。

　と言う訳で芸術的才能をお持ちの方には無条件で敬意を払う私ですが、それにしても今回の辻井さんの快挙には驚きました。生まれながらにして全盲のハンデを負いながらも国際ピアノコンクールで優勝とは、誠に素晴らしく心から祝福の拍手を贈らせて頂きます。まだ20歳という若さですから、これから世界的なピアニストとして成功される事でしょう。障害者の方にも希望を与えたであろうこの度の快挙は、久々の明るいニュースとなりました。




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