府中家具　バンザイ！

　昨日、故郷の幼馴染から電話がありました。共通の友人の奥様が、癌で亡くなられたとの事です。東京で暮らす彼の奥様には一度もお目にかかったことはないのですが、昨夏帰省した彼から奥様の発病は聞いていました。晩婚の彼は子供さんがやっと小学校の三年生と一年生とか、落ち込まず頑張ってくれると良いのですが。

　夕方、また電話が入りました。
「お前、明日定休日じゃろう。今晩暇か？」
「暇っちゅうこたあないが、何で？」
「奥さんの通夜をしちゃろう、一杯やろーや」
「そりゃいいが、ワシ今日は頓原には帰らんで」
「いんにゃ、ワシの方が松江に出て来とるんよ。今日は松江で泊まるけえ」

　と言う事で、昨夜は松江で飲みました。相当飲んでから足元のふらつく友人をホテルのベッドに送り届け、一服してから帰ろうと煙草を咥えた時、携帯の着信音が鳴りました。今頃誰かいな？と思い電話に出てみると思いがけず奥さんを亡くした彼からでした。

「敬さんか、ワシだ」
「おう、こん度は奥さん、大変だったそうじゃのう。ご愁傷さんでした」
「まあ、覚悟はしとったけえね。今日葬式を済ませたよ」
「ああ、そげか。今、マー坊と二人で奥さんの通夜をやっとったんじゃが、そうか、今日が葬式だったんね」
「マサと一緒？じゃあ、ちょっと代わってごさん？」
「分かった、今代わるけん。おい、太からだで、起きーや」

　40分余りも話したでしょうか、お互いに彼を励まして、気が付くと酔いも醒めていました。最後に、元気出せよと呼びかけて電話を切りました。

「おい、もう一杯飲むか？」
「そーじゃな」
「子供が小さいのに、あいつも大変じゃなあ」
「ほーよなあ。まあ、東京までは行かれんけえ、香典を送らにゃあいけんのう」

　ホテルの廊下にある自販機でビールを買って、改めて二人で飲みました。こんな酒、余り飲みたくはないのですが。合掌。



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