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2007年04月13日

もう一冊

 昨日は『散るぞ 悲しき』と言う本について書きましたが、本日はもう一冊ご紹介したい本があります。それは幻冬舎新書:長嶺超輝(ながみね:まさき)著『裁判官の爆笑お言葉集』です。


 この著者は九州大学法学部を卒業後に司法試験に臨むこと七度、残念ながら合格する事が叶わず現在はライター業をしている方だそうですが、仕事の合間に裁判を傍聴し書き上げたのが本書です。

 この本は、裁判官が判決を言い渡した後などに、判決文とは異なる、正に裁判官の生の声で被告に語りかけた言葉を集めた一冊です。タイトルには『爆笑』と付けられていますが、著者の言葉を借りると、『爆笑、苦笑・失笑、はたまた感涙、時には憤慨……』と、実に様々な感想を持たせてくれる一冊です。

 私が最も関心を持った箇所、それは昨年京都地裁で判決言い渡しがあった事件です。仕事をやめ認知症の母を看護をしていた息子が、生活保護も受けられず生活苦から心中を決意します。しかし、自らは生き残ったために承諾殺人の罪に問われた裁判です。この事件は、発生時から新聞報道で知っていました。と申しますのも、車椅子を押して京都の町を散歩した後、母親に「もう生きられへんのやで。かんにんな」と語り掛けたという息子の一言が心に残り、何ともやり切れない思いをしたからです。

 本書によると、起訴した検察官さえ「哀切極まり同情の余地がある」と論告したそうですが、東尾龍一裁判官は「献身的な介護で尽くした息子を、母親は恨んでいない」として執行猶予付きの有罪判決を下しました。その判決理由の中で、東尾裁判官はこう言って行政に苦言を呈したそうです。

『本件で裁かれているのは被告人だけではなく、
 介護保険や生活保護行政の在り方も問われている。
 こうして事件に発展した以上は、
 どう対応すべきだったかを、
 行政の関係者は考えなおす余地がある。』

 今までに余り例のないジャンルの本だと思いますが、それだけに興味深く、一気に読みきりました。お薦めの一冊です。



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Posted by 府中店長 at 07:35Comments(0)店長日記