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2006年10月30日

由緒ある総桐箪笥

 昨日、お客様のご依頼でタンスを見におじゃましました。ご自分の母上のタンスが黒ずんで来たので、修理が可能か見てくれとの事でした。


 一目見て驚きました。およそ80年前のタンスと聞いていましたが、総桐箪笥の立派なものです。普通の古い箪笥は表面が桐で、引き出しの中とか背面、それに引き出しと引き出しの仕切りなどが杉材で作ってあるものが殆どです。しかしこの箪笥は正真正銘の総桐箪笥で、しかも引き出しに使われているのが柾目の通った上質の桐です。箪笥本体や引き出しの造りも堅牢で隙間などなく、紛れもなく一級品で、昔の職人さんの技が今に生きていると感じました。







 そしてこの箪笥の由来を伺い、二度ビックリです。この箪笥は、松江藩の上席家老であった方のお孫さんの嫁入り道具だそうです。学問好きであったその家老さん、明治の御世となり侍の身分が消滅した時、東京に出て学問を積み今で言う教師の道を歩まれたそうです。その長男さんは職業軍人となり日清日露の戦いにも従軍されたとの事ですが、その人の長女さんの嫁入り道具が実にこの箪笥なのです。戦時中和歌山に疎開されたそうですが、空襲で近所の家々が焼けても、不思議と自分の家は類焼を免れ箪笥も無事だったとの事。


 東京で嫁入り道具として造られ戦時中は和歌山、そして戦後も転々と住所を変えたこの桐箪笥、遂の住家が持ち主のお祖父さんが家老職であった縁ある地とは、まるで一遍の時代小説を読んだ気になりました。


 「亡母の大切な形見ですから」、そう仰る依頼主は今年72歳になられる女性です。ご自分の娘さんにこの箪笥を引き継ぎたいとのお考えで、当店にご連絡されたそうです。私自身、目の保養をさせて頂いた昨日でした。



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Posted by 府中店長 at 08:20Comments(0)店長日記